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第3話 ふぐ毒(テトロドトキシン)について:シリーズその①

2014.5.31 カテゴリー:とらふぐのあれこれ, ふぐの種類と生態

水槽を泳ぐ〝天草とらふぐ〟の水中写真です。

水槽を泳ぐ〝天草とらふぐ〟の水中写真です。



ふぐと言えば、すべてのふぐの種類に毒があると思われがちです。しかし、全く無毒のシロサバフグやサバフグ、カワフグ、卵巣や精巣、肝臓や皮に毒があるフグなど、多種多様です。フグ毒(テトロドトキシン)は下記の表の様に、種類の差や地域差、季節差があります。高級なフグは、〝フグの王様〟トラフグ、〝フグの女王〟マフグ、トラフグに似た中型種のカラスが挙げられます。

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日本産フグ中毒学的研究(谷巌)より

ではなぜ、フグは毒を持っているのでしょうか?

長い間フグ毒(テトロドトキシン)は、フグ自身が作りだしていると考えられてきました。しかし近年の研究の結果、食物連鎖(餌)で蓄積されていくことが分かりました。したがって、天然トラフグは毒性が強く、養殖トラフグは極めて毒性が少ない、または毒性が認められなかった、という検査結果が出ています。

天草海産の養殖場では、カラスや猫がトラフグを食べている姿を、何回も目撃しています。それも、内臓だけなんです!!愛情込めて育てたトラフグのことを考えると、ニャロメーと思いますが、これは、無毒に近いもしくは無毒のトラフグの証であると考えます。しかし食通の方は、毒があるからこそトラフグ、という考え方も根強く残っています。

いずれにしても、とらふぐ処理師が調理したとらふぐが、安心安全であることに変わりありません。釣りがお好きな皆さん、ご家庭ではくれぐれもフグを調理して食べられませんように!!

 

第3話は、ここまで。第4話をお楽しみに。

天草海産 3代目 〝福の宅配人〟太田雄三