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第16話  ふぐの仲間たち  シリーズその①

2015.6.10 カテゴリー:とらふぐのあれこれ, ふぐの種類と生態

クサフグ(フグ科トラフグ属)

【学名】Takifugu niphbles(Jordan et Snyder)

【分布】日本各地(北海道を除く)

天草の海を泳ぐクサフグ

天草の海を泳ぐクサフグ



 

砂地に潜るクサフグ

砂地に潜るクサフグ



 

日本人に最も身近なふぐと言えば、クサフグでしょう。釣人は、餌の取り名人の為、嫌いな人が多いと思います。それでは、クサフグについて紹介します。

名前の由来は、背面が緑色っぽいことから、クサフグと呼ばれています。砂地に生息する

ことから、「スナフグ」と呼ばれることもあります。また地方では、スズメフグ、アカメフ

グ、ショウサイフグなどと呼ばれています。

背中は暗青緑色に小白班が散布しており、腹面は白く、胸鰭上部と背鰭の付け根には黒色

斑があります。また、全身に小棘が密生しています。

小型のふぐですが、筋肉は弱毒で、皮、精巣共に強毒です。特に肝臓、腸、卵巣は強毒です。

 

【特徴】5~6月の満月の日に砂地の入江に群れをなして産卵します。産卵の前には産卵場所に、偵察として何匹かが現れて安全かどうかを確かめます。安全と確認したうえで産卵が始まります。クサフグの産卵はとても特徴的で、まず、雌が産卵したところに雄が一斉に放精し、海水が白く濁ります。産卵は一時間ほど続きます。私も2~3回、クサフグの産卵を目にしたことがあります。とても神秘的です。今年こそは、産卵シーンを写真におさめたいものです。

 

第16話は、ここまで。第17話をお楽しみに。

天草海産 3代目 〝福の宅配人〟太田雄三